ちょっとしたきっかけで四国の巨アジハンターと会うことが出来た。

ヤベさんとおっしゃる方で釣具メーカーの開発担当部長でもある方だが、例によって業界事情に無頓着な僕はそんな事は関係なく、四国の巨アジエキスパートに会いたかっただけだ＾＾；

 

そして氏に諸手で歓待していただいたのが何より嬉しかったし、先方も何度も僕に連絡を取ろうとイメージされたことがあると言われたので驚いてしまった。

相思相愛って事？（笑）

 

 

 

まずは現場近くのラーメン屋で落ち合う。

当然のごとく食事そっちのけで釣りの話ばかり。気がつけば相当な時間が経過していた＾＾；

 

そしていよいよポイントへ向かうが、このところ非常に釣果が落ち込んでいると言う話。

無論僕は当日釣る気で行ったわけではなく、デカ鯵の季節的回遊パターンや、ショアラインへ接岸する行動契機をお聞きしたかったし、またそれを攻略するためのタックルやリグのお話を聞きたかったわけだ。

僕としても四国においては愛媛県内しか経験は無いものの、４２cmを筆頭に数釣ってはいるが、氏が狙っているのは一回り上の５０サイズ。

従って道具立てもメソッドも僕らがやってきた事とは異次元の釣りであろう予測はついていたが・・・。

 

 

そして実釣に入ったが、期待した通り驚きの連続！

まず釣れるライン（回遊コース）の距離が驚くほど遠い。最低でもキャリーで５０m、平均で７０m、最大でほぼ１００mのキャストが必要と言う。

手前（３０m付近）で釣っても居なくは無いが、瀬戸内と同じ２０cm前後がレギュラーサイズになってしまうようだ。

 

まあ瀬戸内でも尺上や４０となれば激流ポイントや特殊な潮周りで無いと釣れないが、四国のこの海はそれらの条件とはまた一味も二味も違うようだ。

４０ならずとも尺前後ですら足元で釣れる様な場所はほとんど無いらしく、ロングキャストの釣りを余儀なくされるらしい。

 

 

 

とりあえず教えられるままに釣ってみる。

まずリグなのだが、キャロライナシンカー+ジグヘッド。ここまでは瀬戸内の釣りと大差は無いが、当日そのポイントで使ったシンカーはなんと１０ｇだ＾＾；

そりゃあそうだ、７０ｍ飛ばそうとすると無理も無い。

って事で８３ディープにＰＥ0.6号をセットし、シンカーが重いから２号フロロリーダーを６０センチほど取ってキャストしてみる。

 

 

根が粗い・・・。

と言うよりイカダ廻りを狙うのでワイヤーその他の異物がボトムにゴロゴロしている（汗）

自分なりの釣り方で攻めるがすぐに何かにロックしてしまい釣りになっていない。

 

 

氏は？と見ると開始早々から尺前後を連発させる。

暗い中手元を注視してみるとほとんど動かしっぱなし。この辺が瀬戸内のアジングとは勝手が違う。オマケに７０ｍキャストしてボトムまでが１５〜２０ｍはあるので、釣れているレンジがさっぱりわからない。

７０ｍ先の２０ｍ水深を１０ｇのシンカーで探るのだからレンジの感覚が全く掴めないのだ。

 

Mキャロ 003

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はあまりお好きでないようだしアジのサイズが30ｃｍチョイだったのだが、無理を言って撮らせてもらった。

しかしね、瀬戸内なら大喜びのサイズなんだけど、四国に来ると感覚がおかしくなる。4月にライド君と40釣行をしたときも同じで、尺が小型に見えて仕方が無くなる＾＾；

 

 

ともあれ僕も十数度キャストするがなかなかバイトが取れない。アタリが判らないのではなく、口を使わせることが出来て居ないようだ・・・。

自身の過去の40実績メソッドを元に「渋いのかも・・・」と思ってボトムをしっかりキープして探っていると悲劇が起きた。

恐らくイカダのワイヤーか何かが噛んだのだろう高切れしてしまった。

おまけに300ｍ巻いていたはずのＰＥだったが度重なる釣行で随分減っていたのだな、次のキャストでスプール根元までラインが出てしまいこの時点でＰＥ0.6号スプールはアウト。

 

準備も悪くこの番手の替えスプールも持ってきていない。

仕方なくメタルジグキャスト用のＰＥ1.2号を巻いた3000番が車にあったので付ける。

そして大外し。釣りは甘くない。こんな大仕掛けでアジは食ってくれないのだ。

 

氏が順調にヒットを重ねるなか、黙々と１時間近くキャストしたが風に蹴られ、潮に蹴られ、釣りにならない。とうとう音を上げて氏に正直にお伝えしたらＰＥ0.3号を巻いたリールを貸してくださった。

大違いですよ＾＾；キャストしてボトムを取り、ジャークさせてみて如実に差が出た。

 

待望のアジのバイトだ＾＾

だが何かがずれている。フッキングが遅れたのだろう寄せの途中でバレる。どうもバイトの感知が遅れて反転アタリしか取れていないようだ。おそらくそのせいで口脇にフックが入り、寄せの途中で口切れしているはずだ。

3度続けて同様にフックアウトするのでしばし考えてみる。

 

まず気がついたのがリーダーの長さ。

いつものフロロでのヘビーシンカーリグと同じようにリーダを長く取っている。これが原因で吸い込みを捉え切れていない。

 

もう一つはＰＥだ。

ＰＥの場合はテンションが抜けていると感度は極端に悪くなる。いくらシンカーの重みをしっかり感じるようにテンションを掛けていてもそれより先のリーダー部分が緩んでいるとバイトの瞬間を捉えられない。

そこでリーダーを35cm程度に短くし、さらにアクションを掛けた後のフォールの際もリーダーが張るようにロッドでサビくようにしてみる・・・・。

 

 

きたよ〜、ようやく＾＾；

Mキャロ 002

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやあ〜、これほど苦労したのは久しぶり？＾＾；

いくら相手がエキスパートとは言え10対1以上の差が付いていたからね＾＾；

 

しかしこれほどタックルやリグのバランスと、それに見合ったメソッドで釣らないと釣れないと言うのは逆に楽しい！

70ｍキャストしてさらにラインを20ｍ以上送り出し、そしてアジの繊細なバイトを拾わなければいけない。コレも相当魅力的なアジングだ！

 

まあここからはポツポツとヒットさせはしたが地合いの終わりまでとうとう掴むことが出来なかったのが「レンジ」だ。

前述した要諦に気がついてからはバイトはしっかりモノに出来るようになったが、氏の半分もアジの居るレンジを通せていない。

氏は上からカウントされていたが僕は10ｇと言うリグの沈降スピードがさっぱり判らない。ボトムから上げて来る方法を取ったが、それでも遠すぎて深すぎて食うレンジが判然としない・・・。

 

いやあ〜、燃えたよ！（笑）

まずリグに慣れないといけないな・・・。

氏が使っているシンカーは浮力体の入った特殊なもので、どうやら15度〜30度くらいの角度でスライドしながら沈むらしい。

だから斜めに沈むわけで、当然水深以上のラインが出て行く。

ジャークさせた後のカーブフォールがどうなっているのか、そこからフリーにするとどうなるのか、ジャークそのものもどういう風にリフトするのがベストなのか、使い込んで攻略したいものだ。

 

したがって今回はリグの詳しい話は無し。

自分が使い込めていないのに「耳知恵」だけで書いたって何の意味も無いからね（笑）

 

Mキャロ 007

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尺アジが並んだクーラー。

 

 

 

氏の話では40〜50の巨アジはすでにシーズンオフに近いらしく、さらに今年は昨年に比べて終わりが早いような気がするとの事だった。

しかし俺は多分来週も行くね。

だってさ、来シーズンに向けて「あの釣りかた」を完全マスターしておきたいからね（笑）

ポイントも自分だけの力で新しい場所を見出したいしね。まあ見つけたところですでに開拓されている場所かもしれないけど、「自分の力で探す」と言うところに意味があるし、自信を持って安心して釣れるからね、マイポイントと言うのは。

 

 

 

ヤベさん、シークレットを快く教えて頂き、又長時間一緒に遊んでくださって心より感謝です。

またお会いする日を楽しみに精進していきたいと思います＾＾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追記

■釣り場のマナー

ヤベさんも言っておられたが、アジングの流行は嬉しいことである反面、釣り人が増えると同時に現場でのトラブルが増えている。

現地の方や、特に職猟師とのトラブルで、「立ち入り禁止」「外灯を消される」「ロープを張ってキャストできなくする」など我々アングラーにとって非常に厳しい状況が各地で見られることだ。

 

これらの原因は「港湾部の釣りに慣れていないアングラー」が悪気は無いかもしれないが、結果的に地域住民の怒りを買う行動をしているからだと思われる。

（釣り客を歓迎している場所と、出来れば来ないで欲しいと思っている場所と、その温度差は激しい・・・）

 

 

１．駐車の問題

慣れている場所なら何ら問題は無いが、初めての場所では地域の人に声を掛けてからしたいものだ。大抵優しく教えてくれるものだし、挨拶は知らない土地での基本だと思う。

上手くコミニュケーションが取れれば穴場を教えてもらえることだってあるのだ。

 

２．漁具の問題

一般的な堤防と漁師がたくさん居る堤防とは条件が違うと言うことをまず把握したい。

堤防や護岸に網が広げてあったり、海産物が干してあるような場所は要注意だ。こう言う場所では漁師も相当神経質になっているので「ココで釣らせてもらって良いでしょうか？」などの声掛けは必須だし、事実干し網を踏んだが為に漁師の怒りを買って完全立ち入り禁止になった1級ポイントもある。

漁具は漁師の命なので心すべし。

 

３．トイレ問題

小はともかく、大の方を堤防の上にしたり、酷い例ではあろう事か漁具を入れてある掘っ立て小屋の中でしたケースがあるらしい。マナー以前、言語道断の悪行だが・・・。

いまどきチョッと走ればコンビにはあるはず。

 

４．ナイトフィッシング

騒音問題だ。

釣っている方は起きているし、深夜にも関わらず全然眠く無いわけで、特に仲間内と大勢で行くとテンションも上がって大声になりがちだ。車のドアの開け閉めやアイドリングの音も同様で、都会ではなんとも無くても静かな港町では大きな騒音となりえる。コレが原因で堤防の電気が全て消された1級ポイントが幾つもある。

漁師は朝が早く、夕方6時〜7時にはすでに寝ている人も多いから漁師家が近いポイントでは最大限気を配りたいものだ。

 

５．火の問題

貫徹で釣りをする場合、暖かい食事を取るために火が必要だが、炎が出ないタイプの湯沸しなども最近はあるので利用したい。

仮にＢＢＱなどをする場合は必ず地域の区長などに相談してしかるべき場所でやるようにしたい。

 

 

以上、都会ではありえないシチュエーションでのマナーと言うのは意外に気付きにくい点もあるのですが、良い釣り場を失わないためにも相手の立場に立ってすこし想像力を膨らませて楽しい釣りをしましょう！